医院ブログ
ホーム >
製品 >
誰も教えてくれない「ホルダータイプ」と「ロールタイプ」のフロスの違い
誰も教えてくれない「ホルダータイプ」と「ロールタイプ」のフロスの違い
ご存じのように、フロスにはY字型などのホルダータイプや手巻きロールタイプの2種類があります。
「どのように使い分ければ良いですか?」
現場でこのような質問を頂くことが時々ありましたので、今日は「『ホルダータイプ』と『ロールタイプ』のフロスの違い」についてお伝えします。
ホルダータイプとロールタイプの違い
ホルダータイプにもY字型とP字型がありますが、前歯にはP字型が使いやすく、Y字型は奥歯が簡単に清掃できるという特徴がそれぞれあります。奥歯はどうしても磨き残しがあることが多いため、私は主にY字型をおすすめしています。
ホルダータイプとロールタイプの違いについては一覧にしてまとめてみました。
患者さんにはどちらをおすすめは?
患者さんにおすすめする基準としては、「どちらのフロスを使えば毎日フロッシングができるか?」です。
例えば、小学生の患者さんであればロールタイプは難しいので、ホルダータイプをおすすめします。
また、ホルダータイプでまずはフロスに慣れていただき、コストパフォーマンスに優れたロールタイプにチャレンジしていただくといったステップアップも一つの手です。
まとめ
どちらのタイプにもメリット・デメリットがありますが、やはり一番大切なポイントは、『患者さんがフロッシングを習慣化できるか?』です。
まずはフロッシングを習慣化するという観点からすると、初めての方でも簡単に扱えるホルダータイプがおすすめです。
さらに、フロスを歯ブラシより先に使ってもらう「フロス・ファースト」の概念も必要に応じて患者さんにお伝えするとより早く習慣化ができるかもしれませんね。
2020-09-25 16:36:13
コメント(0)
もっと読む...
折りたたむ
歯ブラシは1ヶ月に1本取り替えるのがおすすめ!
歯ブラシを交換するタイミングを患者さんに聞かれたら、あなたはどのように答えていますか?
日本人が1年間に使う歯ブラシの本数は約3本だといわれています。私が歯科衛生士学校で学生さんに質問をした時にも、多くの学生が1本の歯ブラシを2~3ヶ月使っていました。
しかし、実際には1ヶ月同じ歯ブラシを使用し続けると、歯垢除去率が8割にまで落ちることがわかっています。
今日は、今さら聞けない「歯ブラシの交換頻度」についてお伝えします。
歯ブラシを1日2回、1ヶ月使うと歯垢除去率が8割にまで低下する

当たり前ですが、歯ブラシは使い続けていくうちに毛先が広がっていきます。
1日2回、1ヶ月使っていると多くの歯ブラシはイラストの「歯ブラシB」の状態になります。この状態では歯垢除去率が新品の8割にまで低下しています。
そのまま使い続けていると「歯ブラシC」のように毛先がさらに開き、歯垢除去率は約6割にまで下がります。
ブラッシングが上手な方の場合は毛先が開かないこともありますが、だんだんと毛にコシがなくなってきます。毛先の開きとともに、コシがなくなるにつれ歯垢除去率は落ちていきます。
もし、1週間くらい極端に短期間で毛先が広がる場合は、歯磨きの際の力が強すぎることが原因なので、しっかりTBIで指導をしましょう。
歯ブラシは1ヶ月に1本交換するのがおすすめ!

歯ブラシを交換する目安としては、歯ブラシの毛先が1mm以上開く状態になった場合です。
先ほどの例のように、1日2回、1ヶ月同じ歯ブラシを使うとだいたい毛先が1 mm程度開く状態になります。1日3回同じ歯ブラシを使う方であれば、1ヶ月経たずに毛先が開いてしまうことも多いでしょう。
歯垢が十分に落とせないと、う蝕や歯周病のリスクが高まるのはもちろん、毛先が広がった歯ブラシを使うことで、歯肉を傷つけてしまうこともあります。
そのため、1ヶ月に1回は歯ブラシを交換するのがおすすめです。
1ヶ月に1回歯ブラシを交換するためのルールを決める
「1ヶ月に1回交換するのが理想なのはわかったけど・・・なかなか交換するタイミングがなく結局使い続けている」
このような方もいらっしゃいます。1ヶ月に1回歯ブラシを交換する習慣をつけるためには「ルール」を決めるのがおすすめです。
たとえば、私の同僚は給料日に新しい歯ブラシをドラッグストアに買いに行っています。他にも、毎月1日など決まった日に交換するのも一つの手です。
患者さんの中には「まだ使えるのにもったいない」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、汚れが落ちにくくなった歯ブラシを使い続けてう蝕や歯周病になるリスクを考えると、『月に1回の歯ブラシ交換は、むし歯や歯周病予防のためのお得な対策ですよ』とお伝えするのも良いかもしれませんね。
まとめ
歯ブラシは1ヶ月使用しているだけで歯垢除去率が新品の8割まで低下するので、1ヶ月に1回は交換するのが理想です。
しかし、なかなか交換する習慣がつかないことも多く、対策として「毎月1日に交換する」などの患者さんとルールを作っておくことをおすすめします。
2020-05-28 15:48:45
コメント(0)
もっと読む...
折りたたむ
選び方の基本はう蝕リスクに応じて使い分けること

参考文献:齲蝕リスクの分類と予防手段選択のガイドライン(ADA,”Caries diagnosis and risk assessment” JADA 1995;126:1S-24S.を改変引用)
フッ化物配合歯磨剤を選ぶ基準は、「年齢」と「リスク」です。
基本的には毎食後に清掃剤(研磨剤)が配合された「ペースト」の歯磨剤を使います。もし、患者さんのう蝕リスクが「中」以上であれば、「ジェル」や「洗口液」を併用することがおすすめです。
また、うがいが苦手なお子様であれば、すすぎが簡単な「フォーム」タイプも適しています。「ブクブクうがい、できる?」と聞いて、できない場合はブクブクの練習をしてから使用したり、それでも上手く吐き出せなかった場合は最後にガーゼやティッシュなどで拭きとってあげましょう。
リスクに応じた製品の選び方の例をまとめました。フッ化物配合製剤は年齢に応じて量を使い分けることが大切です。年齢別のフッ素濃度の目安も掲載しておりますので参考にしてください。

子ども向け歯磨剤は香味選びも大切
子ども向け歯磨剤の場合、好まれる香味をつけていることが多くあります。日常の継続的なセルフケアを定着させるという観点でも、「香味」はとても大切なポイントです。
子どもに1500 ppmの歯磨剤は使える? 6歳未満は特に注意!
2017年3月に厚生労働省により歯磨剤へのフッ化物配合量上限が1500 ppmまで認められました。
欧米では1000~1500 ppmのフッ化物濃度を有する歯磨剤が一般的なため、同じ濃度が承認されたのは大きなポイントです。しかし、6歳未満の子どもの患者さんには使用を控えることとされていますので、子ども向けの歯磨剤を選ぶ際は注意が必要です。
まとめ
お子様向け歯磨剤の選び方で特に大切なのは、次の3つのポイントです。
・年齢に応じた適切な濃度の製剤を使うこと
・むし歯リスクに応じた製品の組み合わせ
・セルフケアを続けられる、お子様の好みに合った香味の歯磨剤を使うこと
2020-03-16 10:44:29
コメント(0)
もっと読む...
折りたたむ
お口の状態がめまぐるしく変化する3歳から小学生までは、乳歯や生えたての永久歯のむし歯のリスクが高くなっています。
歯質・歯並びへの影響や生涯を通した奥地のケアの習慣を身につける観点から、積極的なむし歯の予防が必要となります。
今回は年齢別むし歯のセルフケアガイドの「3歳から小学生まで」についてお伝えします。
3歳がフッ素によるむし歯予防セルフケアを始めるのに大切な3つの理由とは?
1.歯ブラシに歯磨剤をつけて磨くセルフケアを始められる
平均的には、2歳で「くちゅくちゅぺっ」、4歳で「30秒ブクブク」ができるようになります。
3歳はちょうどその中間です。歯磨剤を全部飲み込んでしまう心配がなくなるので、
フッ素配合歯磨剤を使ったセルフケアを始めるには適した時期です。
仕上げ磨きも「寝かせ磨き」から「立たせ磨き」へ変えていくことで、自分で磨くのと同じ磨き方が学べます。
2.次第に保護者の手を離れていく
3歳という年齢は次第に保護者の手を離れていく年齢でもあります。幼稚園に行く、近所の友達と遊ぶ、友達からお菓子をもらう、
冷蔵庫の中にお菓子があることが理解できる時期です。
3.お口の中にも大きな変化がある
この時期には全ての乳歯が生えそろうため、むし歯のリスクが高まります。
また、5歳頃には子どもにとってむし歯のリスクの高い第一大臼歯が生えてくるなど、お口の中にも大きな変化があります。
以上の理由から3歳がフッ素配合歯磨剤を使ったむし歯予防を始めるのに適したとても大切な時期といえます。
小さいうちからむし歯予防に取り組むことで、将来的にむし歯の発生率が下げられることは言うまでもありません。
「ブクブクうがい、できる?」
最近「ブクブク」ができない子どもが増えているようです。
小児から小学生の患者さんには「ブクブクうがい、できる?」と聞くのも良いかもしれません。
もし、ブクブクうがいができないという場合は、まずは空気でほっぺを膨らませる練習をして、その後、水に移行するという指導をしている歯科衛生士さんもいらっしゃいます。
そうすると、ブクブクの練習を子どもたちは楽しんでやってくれるようになるそうです。
子どもだけではなくて、付き添いの保護者の方にもしっかり話を聞いてもらうことが大切です。
就寝前にフッ素洗口液を使うのがポイント
セルフケアでは、お口の中のフッ素濃度をどれだけ維持できるかがポイントです。
特に、むし歯のリスクが高くなる就寝中にフッ素濃度を維持するのが鍵です。
おすすめの方法としては、夕食後にフッ素配合歯磨剤で歯を磨いた後、就寝前にフッ素洗口液を使う方法です。
フッ素洗口液の特徴としては、
①口に入る1回分のフッ素量は、フッ素洗口液の方が歯磨剤より多い。
②フッ素洗口液は、洗口した後の水のすすぎがないので、フッ素がお口の中に残りやすい。
③液体なのでお口の中全体にフッ素が拡がりやすく、粘膜などにフッ素が残りやすい。
といった特徴があります。
お口の中にフッ素が残りやすいので、寝ている間も歯をしっかり保護してくれます。
まとめ
お口の中の状態が大きく変化する3歳から小学生までの時期は、歯質・歯並びへの影響、生涯を通した口腔ケアの習慣作りの観点から積極的な予防が必要です。
そのために毎食後の歯磨きの習慣を身につけるのはもちろんのこと、就寝前のフッ素洗口の習慣をこの時期につくることも大切です。
また、ブクブクうがいができない子どもが増えてきているようなので、ブクブクうがいの習慣はぜひ身につけてもらいたいポイントです。
もし、そのようなお子さんがいたら「まずは空気でほっぺを膨らませる」方法を参考にしてみてくださいね!
2020-01-25 10:54:25
コメント(0)
もっと読む...
折りたたむ
乳酸菌といえば、“腸で働く”というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
ところが、近年の研究の結果、“口腔内で働く”乳酸菌があるということがわかってきました。
乳酸菌の役割・メリットとは?
「乳酸菌」と聞いてすぐに思い浮かべるのが、牛乳やヨーグルトといった乳製品や漬物などの発酵食品ではないでしょうか。
乳酸菌といえば、腸内で働いて悪玉菌を減らし、細菌バランスを整えるといったイメージを持っている方が多いと思います。
口腔内で活躍する乳酸菌がある!?
近年の研究によって、口腔内で働く乳酸菌が存在することがわかりました。それが『乳酸菌TI2711(LS1)』です。
TI2711 は「プロバイオティクス」という考えに関連する、口腔内の「善玉菌」と「悪玉菌」のバランスを整え正常な状態に戻していく乳酸菌です。

プロバイオティクスとは、抗生物質(antibiotics)に対比される言葉で、生物間の共生関係(probiosis)を意味する生態学的用語が起源となっています。抗生物質のように有害な菌と同時に有益な菌まで殺すのではなく、元々体内にいる有益な菌を増やして体の健康を守ろうというものです。
参考:乳酸菌【TI2711】(ティー・アイ・2711)の研究技術情報(ライオン歯科材)
これまでのブラッシングによる機械的コントロール、フッ素・IPMPなどによる化学的コントロールに加え、生物的コントロールという選択肢を選ぶことが可能になったのです。
口腔内で働く乳酸菌は口臭や歯周病予防におすすめ!
口腔内で働く乳酸菌の力をぜひ借りていきたいのは、歯周病に対する不安がある方です。
歯周病の原因菌であるジンジバリス菌をはじめとする3菌に乳酸菌TI2711を加えて培養した実験において、24時間で原因菌がほぼ死滅したという結果がでています。
参考:Hiroki Ishikawaら, Suppression of Periodontal Pathogenic Bacteria in the Saliva of Humans by the Administration of Lactobacillus salivarius TI2711 日歯周誌、45(1),105(2003)
最近は歯科用に簡単に摂取できるタブレット製品も発売されていますので、歯周病予防をしたい方にとってとても効果的です。
まとめ
口腔内で働く乳酸菌TI2711は歯周病予防に期待できます。
ブラッシングなどの「機械的コントロール」やIPMPなどを用いた「化学的コントロール」に加え、口腔内で働く乳酸菌による「生物的コントロール」も取り入れましょう。
2019-11-30 11:52:20
コメント(0)
もっと読む...
折りたたむ
誠に勝手ながら10月12日(土)は台風のため臨時休診とさせていただきます。
尚、10月15日(火)より通常診療致します。
2019-10-11 16:39:13
コメント(0)
もっと読む...
折りたたむ
ロコモティブシンドロームとは
公開日:2016年7月25日 15時00分
更新日:2019年6月19日 10時44分
ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)とは、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態 」1)のことを表し、2007年に日本整形外科学会によって新しく提唱された概念です。略称は「ロコモ」、和名は「運動器症候群」と言われます。運動器とは、身体を動かすために関わる組織や器管のことで、骨・筋肉・関節・靭帯・腱・神経などから構成されています。
要介護の原因となるロコモティブシンドローム
高齢化社会を迎えている日本では、平均寿命は約80歳に達し、運動器の障害によって、日常生活に支援や介護が必要となる方が増加しています。平成25年の介護が必要となった主な原因の「高齢による衰弱」、「骨折・転倒」、「関節疾患」を運動器の障害としてまとめると全体の36.1%で、とても多い原因となっています。また、要支援1では52.1%、要支援2では49.6%と約半分を占めており、運動器の障害をきっかけに日常生活の自立度が下がりやすいことがわかります。脳血管障害で身体に麻痺などの運動器の障害が生じることも多く、介護の原因に運動器の障害が大きく関与していることが伺えます(グラフ1参照)。
平均寿命が延びている分だけ、運動器の健康を長く保ち続ける必要があり、国民一人一人が運動器の健康維持に対して関心を向け、ロコモティブシンドロームを予防するための運動習慣が推奨されています。

グラフ1:厚生労働省 国民生活基礎調査 平成25年度 要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合
ロコモティブシンドロームの原因
運動器の障害は、運動器自体の疾患によるものと、加齢に伴って起こる運動器の機能低下によるものとがあります。
運動器の疾患
変形性膝関節症、骨粗鬆症、関節リウマチ、変形性脊髄症、背柱管狭窄症、骨折、四肢・体幹の麻痺、腰痛、肩こりなど
加齢に伴う運動器の機能低下
四肢・体幹の筋力低下、体力・全身耐久性の低下、筋短縮や筋萎縮による関節可動式制限、関節や筋の痛みなど
運動器の疾患や、加齢に伴う運動器の機能低下によって、立位・歩行機能やバランス機能、巧緻性、運動速度、反応時間、深部感覚などが低下し、屋内外の移動やトイレ・更衣・入浴・洗面などの日常生活活動に介助が必要な状態となっていきます。身体が思うように動かないことで外出するのが億劫となり、家に閉じこもりがちとなると運動の機会が減り、さらに運動器の機能低下が進みます。容易に転倒しやすくもなり、怪我や骨折のリスクも高くなります。
ロコモティブシンドロームのチェック
ロコモティブシンドロームは、自らの運動器の機能低下に気づき、進行を予防するための運動習慣をできるだけ早い時期からスタートさせることが大切です。ロコモ チャレンジ!推進協議会のホームページでは、運動器の衰えを7つの項目でチェックできる「ロコチェック」が紹介されています(図1)。
図1:ロコチェック 2)
ロコモティブシンドロームを予防するには
ロコモティブシンドロームの予防には、毎日の運動習慣とバランスの良い食生活が要です。「片脚立ち」(図2)と「スクワット」(図3)が自宅で簡単に行うことができ、おすすめです。毎日の生活の中で、階段を使う、一駅分歩いて通勤・買い物に行くなど、運動の要素をプラスすることもロコモ予防となります。
図2:バランス能力をつけるロコトレ1「片脚立ち」 3)
図3:下肢筋力をつけるロコトレ2「スクワット」4)
2019-09-07 14:39:20
コメント(0)
もっと読む...
折りたたむ
子どもの歯磨き習慣がついてくると心配なのが歯磨き中の転倒などの事故。
小さい子どもがいると、一度はヒヤッとした経験のある保護者の方は多いのではないでしょうか。実際、消費者庁からも子どもの歯ブラシによる事故の注意喚起がなされています。
今回は『子どもの歯磨き中の事故の実態と予防策』についてご紹介します。
1歳児にとても多い、歯磨き時の事故
子どもにとって歯磨きは毎日の大切な習慣である一方、事故につながりかねない危険性を持ち合わせています。
実際に、子どもが歯磨き中に誤って転倒するなどして、喉を突く事故が後を絶たず、2017年に消費者庁が注意喚起を行いました。
東京都の調査によると、歯磨き中の事故により、2014年〜2018年の間に救急搬送された5歳以下の乳幼児は、合計200人。年齢別で見ると、1歳児が最も多く、次に2歳児、3歳児と続きます。
このことから、歯磨きの習慣がつき始めた時期に、事故が多発していることがわかります。そして、残念なことに、事故件数はそれほど毎年変わっていないという現状があるのです。


出典:乳幼児の歯みがき中の事故に注意!(東京消防庁)
事故が起こりやすい子どもの行動とは?
事故が起きるのは、保護者の方が目を離したほんの一瞬です。
特に、子どもの転倒事故が起こりやすい行動は、
・歯ブラシをくわえたまま歩き回ったり、走ったりする
・歯磨き中に兄弟姉妹とじゃれあったり、ケンカしたりしている
・椅子やのぼり台の上など、不安定な場所で歯磨きをする
などです。
歯磨き習慣を始める前に、歯ブラシを持たせたままにしておく危険性をしっかりと理解していただくことが大切です。
歯磨き中の事故を予防するためには?
歯磨き中の事故を予防するために、座って歯磨きをする習慣をつけることや、子どもから目を離さないようにしっかり見守ることが大切です。
しかし、見守っているだけでは、防げない事故もあります。歯ブラシ事故は3歳までが大半ですが、その時期は歯磨きの習慣づけとしても大切な時期です。
だからこそ万が一のことを考えて、転倒時の衝撃を低減できるネックが曲がる子ども用歯ブラシを選ぶというのもリスクを減らすための1つの選択肢です。見守ることは大前提ですが、その上でリスクの少ないものを使っていただくことが大切です。
まとめ
子どもの時期に歯磨きの習慣をしっかりつけることはう蝕・歯周病予防の観点からとても大切です。
しかし、目を離した一瞬の隙に転倒事故が起こっているという現実があります。親御様が見守った上で、子どもの歯磨き習慣をつけていきましょう。
2019-08-23 16:35:55
コメント(0)
もっと読む...
折りたたむ
平成28年の厚生労働省による歯科疾患実態調査によると、デンタルフロスや歯間ブラシなどの歯間清掃用具を用いている人は全体の約30%でした。歯間清掃用具の使用率を上げていくことは今後の口腔衛生環境の向上に欠かすことができません。
現在では金属ワイヤータイプの歯間ブラシが主流ですが、最近ではゴムタイプの歯間ブラシも登場しています。
今回は『ゴムタイプの歯間ブラシ』についてご紹介します。

ゴムタイプの歯間ブラシの特徴は、なんといっても素材がゴムであることです。「金属ワイヤーだと歯肉を傷つけそうで心配…」という患者さんにも使っていただくことができます。
素材がゴムなので、補綴物や矯正器具・インプラントを入れている患者さんにもおすすめです。
初心者にもゴムタイプの歯間ブラシはおすすめ
ゴムタイプの歯間ブラシは、初めて歯間ブラシを使う患者さんに、慣れるまでの導入用としても使えます。
歯間ブラシ使用により歯肉が痛む・血が出るという場合は、サイズの選び方を変えると改善する可能性があります。
歯間ブラシに関する3つの指導ポイント
歯間ブラシの使い方に関する指導ポイントは以下の3つです。
(1)適したサイズは歯と歯の隙間より一回り小さいサイズであることを説明する
(2)歯と歯の隙間にブラシをゆっくりと入れる
(3)左右の歯に沿って磨く
まとめ
金属ワイヤーが苦手な患者さんにはゴムタイプの歯間ブラシという選択肢があります。
まずはゴムタイプの歯間ブラシでセルフケア習慣をつけてもらい、その後金属ワイヤーの歯間ブラシにステップアップしてみましょう。
歯科衛生士の指導を受けてから使用してください!
2019-08-09 09:06:03
コメント(0)
もっと読む...
折りたたむ
う蝕や歯周病の他に歯を失う要因として「酸蝕症」があります。以前は大人が罹患するものだと思われていましたが、食生活の変化により子どもでも酸蝕歯を有するケースが起きてきています。
症状が進行すると知覚過敏やう蝕のような痛みを引き起こすこともあるため、早めの対処が望まれます。
今回は、「酸蝕症」の原因や対処法についてお伝えします。
そもそも酸蝕症とは?
酸蝕症は歯の化学的な損傷の一つです。酸蝕症に罹患した歯は「酸蝕歯」と呼ばれます。
酸性の強い飲食物を摂取することなどで、口腔内のpHがエナメル質の脱灰する5.5~5.7以下になることで脱灰が起きます。この症状が酸蝕症ですが、症状の進行が非常にゆっくりなため、ある程度症状が進行してから気づくという患者さんも多くいます。
酸蝕症とう蝕の違いは「細菌」の関与があるかどうか
酸蝕症とう蝕はエナメル質の脱灰が起こるという点では似ていますが、その違いは細菌の関与があるかどうかです。
ご存じのように、う蝕はプラーク中の細菌が酸を作り、その酸によって脱灰が起こる疾患です。一方、酸蝕症は口の内外から口腔内に入ってきた酸が直接的な原因で脱灰が起こります。
酸蝕症の症状に気づきにくいというのは、酸が口腔内全体に広がるためにその範囲が広くて浅いことに起因しています。
酸蝕症の原因とは?
酸蝕症の原因としては、(1)職業性の要因、(2)薬剤や病気、(3)酸性飲食物の過剰摂取が主なものです。
(1)職業性の要因
職業性の要因としては、メッキ工場やガラス細工工場などの職場において、酸性ガスの曝露・吸引をすることで発症するケースがあります。
(2)薬剤や病気
頭痛薬に使われるアセチルサリチル酸やビタミンC・鉄分サプリメントなどの酸性の薬剤も酸蝕症の原因となります。薬剤と歯が接触する時間・頻度がリスクに影響することから、常用していることで酸蝕のリスクは高くなります。
また、嘔吐や逆流性食道炎、摂食障害(過食症・拒食症)などの病気によって胃酸が逆流することも酸蝕症の要因となります。胃酸のpH は1.0~2.0と非常に強い酸のため、酸蝕症のリスクも比例して高くなります。
(3)酸性飲食物の過剰摂取
酸蝕症を起こす可能性のある飲食物は現在ではたくさんあります。代表的な例が、炭酸飲料や果汁飲料・スポーツドリンクなどの酸性飲料や柑橘系果物です。
こちらはさまざまな市販飲食物のpHの測定データです。炭酸飲料はわかりやすいのですが、乳幼児用イオン飲料などのあまり酸味を感じない飲料でも酸性度が高いものもあり、大人だけではなく子どもも注意が必要です。

出典:ライオン歯科衛生研究所

酸蝕症の予防方法
酸蝕症を予防する方法は、シンプルに口腔内のpHが5.5~5.7以下になる時間をできる限り短くすることです。
1.だらだらと食べたり飲んだりしない
デスクワーク時・スポーツ時など、だらだらと酸性飲料を飲み続けることで酸蝕症のリスクは高まります。理由の一つとして、だらだら食べたり飲んだりすることでだ液の緩衝機能が働きにくくなり、酸を中和する作用が薄れてしまうことが挙げられます。飲料であれば直接容器から飲まずにストローを活用することも一つの方法です。
2.歯磨き・うがいをする
食事をしたら歯を磨く、これが基本の予防法です。しかし、外出先などで歯を磨くのが難しい場合や仕事中の場合はすぐにサッと水うがいをすることもおすすめです。デンタルリンスがあれば、さらに効果的です。
治療・予防には食生活習慣の改善が必要だが、まずは否定しないことが大切
食生活習慣は個々のライフスタイルの違いによって千差万別なうえ、夏場は水分摂取量が増えたりするなど季節によっても変化します。
酸蝕症のリスクを下げるには前述のように食生活習慣の改善が必要になります。
まとめ
酸蝕症は現代の食生活の変化により子どもでも起こり得る疾患です。予防法としては、シンプルに「酸と歯の接触時間を減らす」ことです。
食後に歯を磨くことはもちろん、歯を磨くことが難しければデンタルリンスや水でうがいをするだけでも違いが出ます。
ぜひ試してみましょう。
2019-08-02 17:12:56
コメント(0)
もっと読む...
折りたたむ